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妻が稼いでいると離婚の可能性が高くなるってホント?

The New York Times

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(Monica Garwood/The New York Times)

ニックとナタリーのフォイ夫妻。この12年間、妻のナタリーが一家の稼ぎ手だった。

ナタリーは大学卒業後、銀行業界に勤め始めた。ニックのキャリアは一直線ではなかった。彼がいうところの「本当の仕事」に就く前に、まず青少年担当の牧師として働いた。

その過渡期で、夫妻はニックが本気で職を探してるのかどうかについて真剣に話し合った。36歳のニックは「(妻が稼ぎ手であるという)慣例とは違う役割を担っていることで、思いもしなかったプレッシャーがありました」と言う。

現在、ニックはノース・カロライナ州シャーロットでファイナンシャルプランニングのオフィスを経営している。

アメリカでもまだ根強い「男性が稼ぐべき」という考え方

この50年ほどで、アメリカの男女の役割はかなり平等になったと言えるだろう。大学での学生数と学位取得数では女性のほうが多い。夫よりも稼いでいる女性は増えており、家庭で家事などをもっと担当する男性も増えている。

しかし、とくに30歳以下の人たちにとっては驚くべきことかもしれないが、この動向にもかかわらず、一家の夫の役割については「一定の期待」がいまだに存在するのだ。

ハーバード大学の社会学教授、アレクサンドラ・キルウォルドは、「女性が主婦であるべきだという考えはだいぶ変わってきましたが、男性が稼ぐべきだという考えはまだ残っていますね」と言う。

稼いでいるのが「良い夫」の条件?

2017年のピュー・リサーチ・センターの調査によると、現在、結婚しているかまたはパートナーと住んでいる女性の3分の1が、二人合わせた収入の少なくとも半分を稼いでいるという。

それに比べて、1980年には、夫と同じほど、または夫よりも稼いでいた既婚女性は13パーセントだった。

しかし、この調査で7割が、男性が良い夫またはパートナーであるために一家を支えることができることは「とても重要」だと答えている。女性についてそう考えているのは約3割だった。

妻が稼いでいると離婚の可能性が高くなる?

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Image via Shutterstock

二人の収入格差が夫婦関係にどんな影響を及ぼすかについて、学術的な研究の結果はさまざまである。

2015年のシカゴ大学の調査では、異性間のカップルで女性が稼いでいる場合には夫婦関係のストレスは大きく、また別れる可能性も高かったことがわかっている。

また、稼いでいる女性は夫の気持ちを考慮して、家事も多く担当していたことも示された。

夫に仕事があるかどうかが、深刻な結婚生活のトラブルにつながることもある。キルウォルド教授が行なった2016年の調査では、異性間の夫婦で夫がフルタイムで働いていない場合、離婚する可能性はそうでない場合に比べて大きかった。しかし、夫妻がそれぞれフルタイムの仕事を持っている限り、男性の収入が少なくても離婚のリスクは変わらなかった。

若い世代は、男女平等の考え方

速度は速くはないにしろ、人びとの考えは変わりつつある。2016年の別の調査によると、世代間で違いもあるようだ。

1990年代またはそれ以降に結婚したカップルでは、妻が夫より稼いでいても別れる可能性は変わらなかった。しかし、1960年代と1970年代に結婚した夫婦で女性が稼いでいる場合は、離婚につながる可能性が高かったのである。

家計を担当するファイナンシャルプランナーやセラピストは、女性の方が稼いでいる異性間カップルには決まった感情やパターンが見られるが、対処する方法はいくつかあると言う(これらの方法は、同性カップルでも男性が妻より稼いでいても応用できる)。

二人で役割を決めて話し合い、調整してゆく

アイオワ州シーダーラピッズでファイナンシャルプラニングの会社を経営するデレク・サープ氏は、夫婦がそれぞれ持っている「お互いへの思い込み」が口論につながる最大の原因だと考えている。

「もし妻が仕事で忙しくなったときに、夫がもっと家事を負担するなど、二人が心を広く持って必要に応じて役割を調整できるなら、うまくやっていけます」とサープ氏は言う。

「でも、たとえば夫が自分は出来損ないだと思ったり、妻が夫にじゅうぶん協力してもらえないと思っているようなら、争いになる可能性は高くなるでしょう」

ファイナンシャルプランニングの会社ファイナンシャル・ファウンテンのCEO、ラゼッタ・レイニー・ブラクストン氏は、収入をめぐるストレスが後から現れるケースを目にしてきたと言う。妻が子どもの世話をもっとしたいとか、収入が減ってもフレキシブルな仕事に変わりたいと思って、一家の大黒柱であることをやめたいと思うときに収入がらみのストレスが生じるのだそうだ。

「そうなると、収入の差をどうやって埋めようかと夫のほうにすごくプレッシャーがかかります」。そうなったとき、学費ローンの支払いを延長してもらったりして状況を変えて、長期的なゴールに向けて夫婦が調整して柔軟でいられるようにと彼女はアドバイスしている。

大切なのは「目に見えるサポート」

リサーチでは、男性が以前より家事を負担していることが判明しているが、それでもまだ妻と比べると少ない。妻が自分の負担が大きいと思うとき、夫婦関係にダメージを与えるのだ。

家庭内でのささやかな家事負担によって成し遂げられることはたくさんある。2017年のある調査では、仕事における地位が夫より高い妻は、夫の低い立場について憤ったり恥ずかしいと思う傾向があるという。しかし、その感情は、夫が育児や家族の高齢者の世話などの目に見えるサポートをしているときには、夫婦関係に悪影響を与えない

おすすめは、家事リストの作成

カンザス州立大学のファイナンシャルプランニング准教授のソニヤ・ブリット・ルッター氏は、「ゴミ捨て、保険料の支払い、買い物など家事のリストを作って誰が担当するかを決めましょう」と言う。彼女は、家計について話し合うことでカップルを導くプログラムを最近開発している。

「家事分担リストを作ったら、どちらかが新しい仕事を始めたり、昇進したりして時間がなくなったらどうするかを話し合いましょう」

ブリット・ルッター准教授は、1年に1度はリストを見直して、おたがいが自分の「分担」についてどう思っているか、また変更が必要かどうかを話し合うことを提案している。

お互いの自由も尊重しつつ、共通のゴールを設定する

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Image via Shutterstock

リサーチでわかったことには、異性間の夫婦で妻が稼ぎ手である場合、自分の立場を低く見せる傾向があるという。ニューヨークのファイナンシャルプランナー、キャリー・ガラウェイ氏は稼いでいる妻の成功を誇りに思っている夫たちを見てきた。

しかし、誰が稼いでいようと起こる可能性のあることだが、夫に相談しないで経済的なことを妻が多く決定すると問題になる(立場が逆でもこれは当てはまる)。

「こんなことがあると、時間が経つにつれて憤りを生みます。経済的な決定をしない配偶者のほうでは状況がわからずに不安になるんです。ですから、その配偶者の意見も聞いてもらえるといいですね」とガラウェイ氏は言う。

夫婦の間でメインの稼ぎ手がいる場合には、協力しながらもおたがいがある程度の自由を持てるようにする方法がいくつかある。

専門家には、金額を決めておいて、それ以上使うときにはおたがいに相談するというやり方を提案している人もいる。また、預金や経費を共同の口座にして、残りをそれぞれの口座に入れるようにする方法を勧める人もいる。もしくは、批判されずにそれぞれが毎月使える金額を決めておく。そして使わなかった金額は持ち越せるようにするのもありだ。

「お金」が最終的な目標ではない

バージニア州フェアファックスのファイナンシャル・アドバイザーのバーバラ・リストウ氏は、「誰がいくら稼ごうか、それぞれが自由に使える金額を持っているべきです」と述べる。

前述のフォイ夫妻だが、いまだにナタリーが家計の大部分を稼いでいる。二人は全収入をひとつの口座にまとめておくほうがうまくいくと気づいた。ニックは自分の顧客にも同じ方法を勧めている。

ニックいわく、共同口座だと二人のお金がどのように使われているかがわかるし、子どもの学費貯金や旅行費など家族の目標に向けた貯金も見えるからだと言う。それには、Betterment(ベターメント)に代表されるロボアドバイザー(オンラインの自動資産運用システム)のようなツールが役立つそうだ。

ニックはこう言う。「二人で意図してともに目標を設定してチェックしていくと、別々にするよりも気持ちを合わせて集中できるようです」

ナタリーは、二人で一緒に管理することで出費や収入についての恨み辛みが積もるのを防ぐことができると言う。「お金が最終的な目標ではないんですから」

© 2018 New York Times News Service[When She Earns More: Old Ideas About Gender Roles Still Cause Stress/執筆:Tara Siegel Bernard](翻訳:ぬえよしこ)

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