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「キャリアを積む」って何だろう/『働き方の哲学』1

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女性管理職も少しずつ増えてきたように思える日本。 とはいえ、いまだ男性主導なビジネスの現場で、お手本になるロールモデルも少なく、「キャリアを積むって何だろう?」「私らしく、上司としてふるまうにはどうすれば?」と、わからないことだらけ。

そんなときにヒントになるのが、人財教育コンサルタントの村山昇さんの著書『働き方の哲学 ──360度の視点で仕事を考える』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)。働くことの本質をイラストつきでわかりやすく解説した「働き方のバイブル」です。

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カフェグローブ読者の多くを占めるリーダー職の女性たちが、仕事のなかで感じている疑問や悩みを村山昇さんが診断。「働く意味」と根っこの部分を、あなたも一緒に見つけてみましょう(連載全3回)。

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村山 昇(むらやま・のぼる) さん
キャリア・ポートレートコンサルティング代表。組織・人事コンサルタント。概念工作家。企業の従業員・公務員を対象に、「プロフェッショナルシップ」(一個のプロとしての基盤意識)醸成研修はじめ、 「コンセプチュアル思考」研修、管理職研修、キャリア教育のプログラムを開発・実施している。 ビジネスホームページ

「私って、キャリア志向じゃないのかも……」

【質問】40代中間管理職です。まわりがキャリア志向で、自分もそうならなければと焦ってしまいますが、本音を言えば、そういうタイプではありません。
キャリアという言葉が空回りして、薄っぺらくも思えてきます。
私は、キャリアを望まないほうがよいのでしょうか?

私も19年間サラリーマンをやってきたので、こういう気持ちの女性にはけっこう遭遇してきているのですが、日本ではキャリアという言葉が、「外形的」「男社会」「上昇志向」「他人との競争でのし上がっていくもの」といった手垢がついているから、引っ張られてしまったのかなと思います。

外的キャリアに振り回されないで

まず、「キャリア」という概念についておさらいをしましょう。「career」の語の由来は車両・荷車。目標を目指しながら、手で押していくなかで、経験・人脈・能力が身についていく。それを荷車に積み込んで、さまざまな想いを現在・未来に向かって抱き、車輪の跡を残しながら進んでいく───これがキャリアの本来的なイメージです。

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そしてキャリアは、外的なものと内的なもので分けてとらえることもできます。「外的キャリア」とは、外側から形として見えやすいもので、事実として積み重なるもの。その人が経験してきた仕事内容や実績、所属した組織や地位、人脈などをいいます。

他方、「内的キャリア」とは、自分の心のうちにあるので、自分からも他人からも見えにくいのですが、経験的事実の内側にある価値観や動機、想いなど、仕事を経て獲得したものになります。仕事人生を動かしていく心のあり様・精神的エネルギーといったもので、刻々と変化していきます。

もしかすると、ご質問の方は「外的キャリア」にばかりに目がいって、そればかりを素晴らしくしなければならない、というプレッシャーを感じているのではないでしょうか。 しかし、これらの外的要素と内的要素は相互に影響しあうもの。揺らぎの中でキャリアは形成されていくのです。

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キャリア形成よりも「一つひとつ」を

このように「キャリア」という概念は、職業上で起こることの流れや蓄積で、それ自体はポジティブでもネガティブでもない、中立的なものです。 ところが、キャリアはエリートクラスの職業人の中から出てきた概念なので、どうしても既存のキャリアという言葉には、成功や野心、上昇、競争といった意味合いがついて回って、嫌悪感を抱きがちになります。

私自身もそういう狭い意味での「キャリア」という言葉は好きではく、単に「職業生活」とか「仕事人生」ととらえるくらいでいいと思っています。

だから「キャリアをどう積むか」を考える以前に、業務を一つひとつこなしていくことのほうが大事。いろいろな経験をして、いろいろな人間と出会う。次はもっといい仕事をしようという思いに立てば、自分を成長させることもできる。そういう過程を有意義に楽しんでいくことに気を使ったほうがいいんです。

「働くことって、自分の人生の重要な一部分なんだな」と感じられること。そういう充実した過程を経た結果として、「自分って充実したキャリアができつつあるな」と確認できるようになるんです。

競争ではなく「健やかなキャリア」へ

また、「キャリア観」そのものも変わりつつあります。旧来のキャリア観は、男主導で、主に経済的な成功というものさしでつくられてきました。しかし今は、ビジネスの現場でも多様な価値観がうまれています。経済的な勝ち負けによって若いうちから敗者が多く出るような状況だと、この「人生100年時代」においては、もはや職場も社会も存続しません。

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私は、これからのキャリア観は「すこやかなキャリア」になっていくと思います。Well Being、すなわち、働く心のウェルネスを充実させていく時代は確実にやってくるでしょう。その主導的な役割を担うのが女性です。ぜひ、新しいキャリア観をつくっていくお一人として、凜として自分の思うやり方を押し出してみてください。

【まとめ】 旧来のキャリア観には堂々と「NO」と言っていいのでは。いまのビジネス現場を支配するキャリアの考え方に違和を感じることは、間違っていることでも何でもなく、むしろ正常な感覚がはたらいていればこそ起こるものです。
働いていると、どのみち「しんどい」です。旧来型のキャリア観に合わせるしんどさを選ぶか、新しいキャリア観で周囲を変えていくしんどさを選ぶか。これまでの女性管理職は前者を選んできましたが、後者を選ぶほうがおすすめ。共感する人も多くなってきていますから、状況次第ではブレイクスルーする時がくるかもしれません。

働き方の哲学──360度の視点で仕事を考える

著者:村山昇
発行:ディスカヴァー・トゥエンティワン
定価:2,600円(税別)

*第2回目はこちら

私の「判断」はなぜ揺らぐ/『働き方の哲学』2

優柔不断で明確な指示ができない私はリーダー失格? 『働き方の哲学』著者・村山昇さんが、カフェグローブ読者に多い働く女性の悩みをスッキリ解決。

https://www.cafeglobe.com/2018/07/workbook2.html

第3回目は7月27日(金)公開です。お楽しみに!

cafeglobe編集部

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