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お笑い界に革命を起こす異端児でありたい/芸人・万次郎さん(後編)

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女性の身体で生まれた万次郎さん。生えてくるはずだった「おちんちん」が生えてこず、苦悩の少年時代を過ごします。高校卒業後、お笑い芸人を目指して大阪へやってきました。

前編はこちら

自分を知る人がいない大都会での生活は、心地よかった。自分を一切女として扱わない先輩たち3人との共同暮らし。男性として中華料理屋やパチンコ屋でアルバイトをし、漫才のコンビを組んだ。相方と一生懸命考えたネタが当たったときは嬉しかった。彼女もでき、無我夢中でオーディションライブやアルバイトに明け暮れた。

それ、ネタにしたらええんちゃう

30歳を迎えたころ、新しく組んだコンビの相方に自分のセクシュアリティを打ち明けると、一週間もたたず芸人仲間に知れ渡っていた。コンビは結局1年ほどで解散し、万次郎はピン芸人になる道を選ぶ

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20歳のころ。キャバクラのボーイのアルバイト仲間と

どうせやったら、お前のそれ、ネタにしたらええんちゃう

そうアドバイスしたのは、芸人仲間の一人、村本大輔(ウーマンラッシュアワー)だ。

美輪明宏におすぎとピーコ、マツコ・デラックス、はるな愛……。いわゆる「オネエタレント」が茶の間を賑わせて久しい。だが「おなべタレント」は笑いの対象としては「いじりづらい」とテレビ局からも敬遠され、エンターテイメントの世界でもなかなか市民権を得づらい現状がある。

半信半疑でセクシュアリティをネタにしたコントを始めてみたが、しばらくは戸惑われたり、「苦労したんですね」と感心されたり。「笑っていいのかな」という観客の動揺が、ステージまで伝わってきた。

子宮を持っている女性を笑いの対象にしてはいけない、という無意識の感情が、(人びとには)あるのかもしれないですね」

初めての手応えは、2011年、ピン芸人コンテスト「R-1ぐらんぷり」の予選で得た。普段の劇場より遥かに大きな劇場でネタを披露し、会場をおおいに沸かせた。自身のマイノリティをネタにしたお笑いコンテスト「SHOW-1グランプリ」でも、2013、16年と二度の優勝。セクシュアル・マイノリティの存在が世間に広く知られるようになったことも後押しをした。準レギュラーとして出演するNHK番組「バリバラ」では、両親へのカミングアウトもなしとげ、反響を呼んだ。

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ピン芸人として、自主ライブやTV番組などで活躍する

ライブ終演後にお客さんから「面白かったよ」「親戚にもあんたみたいな子がいてね」と声をかけられることもある。そんなときは「笑いとして伝わったんだ、とうれしくなります」。お礼の言葉とともに、「僕はトランスジェンダーの一例であって、すべてじゃないからね」と付け加えることも忘れない。

このスタイルで、革命を起こす

先日、LGBTに対する国会議員の差別的な発言が波紋を呼んだ。「生産性」を振りかざす言葉に「怒りを通り越してあきれた。国会前でデモをする人もいる。でも僕は僕なりのスタイルで、おなべ界のパイオニアとして、革命を起こしていきたい

男性器への憧れが完全に消えたわけではないが、性別移行手術やホルモン治療をするつもりはない。18歳からの大阪での日々が、今のままでも十分幸せに生きられると自信をくれた。「健康体で、両親より一日でも長く生きようと思っています

体は女、心は男、万次郎です!

決まり文句を引っさげて、今日もスポットライトの下に立つ。

迷うことも、ある。思ったように笑いが取れず、落ち込むことも。だが、このスタイルを続けていくつもりだ。いつか満場の爆笑が、ステージを揺るがす日までは。

万次郎主催のトークライブ開催! YouTubeでの生配信も

万次郎が主催するトークライブ「朝までセクシャルマイノリティー~テレビがやらねぇからオレがやる~」。全国から駆けつけるセクシュアル・マイノリティ11人をゲストに迎え、恋愛やセックス、人生について、とことん語り尽くします。万次郎の新ネタも披露。当日は、YouTubeでライブ配信も(視聴はこちらから)。

8月26日(日)22:30〜翌5:00 @アワーズルーム(大阪・肥後橋)
お問い合わせ・お申し込み/ 06-6940-7469(アワーズルーム
告知動画はこちら

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万次郎(まんじろう)
本名・高木憲子。N-weed所属。1993年、吉本総合芸能学院大阪校入所。2016年「ヒューマンライツ・フェスタ東京」登壇。2018年、NHK総合「テンゴちゃん」出演。現在、NHK Eテレ「バリバラ」のほか、関西演芸協会の寄席や自主ライブなどで活躍。特技は柔道と立ちション。座右の銘は「世界に、不要のものなし」。twitter:@manjiro_vs


写真/万次郎さん提供、取材・文/中村茉莉花(Cafeglobe編集部)

*前編はこちら

体は女、心は男。「死にたい」と願った人気者/芸人・万次郎さん(前編)

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