Image via Getty Images
7月に利用したリスボン発ニューヨーク行のフライト。ディナータイムになると、フライトアテンダントがグルテンフリーの機内食を私の座席まで持ってきてくれた。搭乗前にリクエストしておいたのだ。
自分がセリアック病(訳注:グルテンに対する免疫疾患)にかかっていることがわかったのは3年前。それ以来、飛行機で移動する際は必ず、特別機内食(スペシャルミール)をリクエストするようにしている。ちなみに今回のメニューは、蒸したスズキの野菜添え、グルテンフリーのパン、フルーツサラダの組み合わせだった。
あれ? あの人だけ違うもの食べてる
しかし、そのフライトでも、その前に乗った数回のフライトでも、私以外にも特別食を提供されている乗客を何人か見かけた。特別食を利用する人はこれまでになく増えているようだ。
実際のところ、近年、国際線・国内線の航空各社に特別食のリクエストが多く寄せられるようになってきたという。そこで、多くの航空会社が、特別食のカテゴリーを増やしてそれに対応し始めている。
機上でも進む、食の多様化と健康志向
アメリカン航空は2017年7月、国際線の長距離フライトで提供する特別食のカテゴリーを7種類から14種類に倍増した。
例えば、低塩ミールに加えて、豚肉やアルコールを一切使用せずに調理されたハラル食、胃に刺激を与える調味料控えめの胃腸疾患対応ミール(ブランドミール)などが追加された。
アメリカン航空の機内サービス・ディレクターのルース・ブラウン氏は、特別食を増やした理由について、乗客のリクエストが増加した背景があると説明する。
「最近、食習慣がますます多様化し、全体的にヘルシー志向が高まっています。アメリカン航空にも、提供していない種類の食事を要望する声が多く寄せられていました」
機内食(イメージ) Image via Getty Images
リクエストが6割強も増えた
「カテゴリーを増やしたところ、特別機内食のリクエストが66%増加しました。2017年上半期に提供した特別機内食は合計で約106,000 食。これに対して2018年上半期には、250,000食近くに増えました」
北米の国内線エアラインでは、ユナイテッド航空とデルタ航空がやはり乗客の要望を受けて特別機内食の種類を増やしている。
子羊やハーブチキンのグルテンフリー食(!!)
しかし、特別機内食のセレクションに関しては、国際線のほうが充実している。しかも、この数年間でさらに選択肢を広げている。
カタール航空では現在、17種類の特別機内食が提供されている。一方、2017年、TAPポルトガル航空やターキッシュ エアラインズは、ラインナップを大幅に拡張し、24種類もの特別食を提供し始めた。例えば、ベジタリアンやヴィーガン・ミールから、フレッシュフルーツと生野菜のヴィーガン・ミール、魚介のシーフード・ミールやフレッシュフルーツのみのミールも注文することができる。
こうしたミールの種類のそれぞれに対して、用意されたメニュー(料理)の数は10種類以上。例えば、グルテンフリー・ミールの場合、「子羊肉のほうれん草ソテーとライス添え」、「海老のラタトゥイユ添え」、「ハーブチキンのナスのサラダ添え」などのメニューがそろい、いずれも、温めたグルテンフリーのロールパンとオリーブオイルと一緒に提供される。
ターキッシュ エアラインズのエコノミークラスで提供されるグルテンフリー・ミール。鶏胸肉のソテーとライスに、カプレーゼサラダとチョコレート・ムースの組み合わせ。(Turkish Airlines via The New York Times)
宗教やアレルギー以外の理由も増えている
TAPポルトガル航空でも、過去2年間で特別機内食の注文が50%以上増加したという(インフライト・プロダクト責任者ジョエル・フラガタ氏)。
しかし、特別機内食と言えば、これまでは宗教上の理由、またはアレルギー性疾患など健康上の理由でリクエストされるものだった。なぜ今、リクエストが増えているのだろうか。
エアラインのサービスに詳しい評論家によると、最近はむしろ、個人的嗜好により求められる傾向にあるのだという。例えば、糖質オフ、糖質制限、グルテンフリーなどの食事制限やヴィーガンなど食の主義を実践する人が増えており、それを空の上でも継続することにこだわる人々が増えている。
ところで、特別食っておいしいのかな?
別の理由として、特別機内食のほうが味が良いと考える人々もいるのではないかと、旅行産業アナリストでAtmosphere Research Groupの創業者ヘンリー・ハートベルト氏は指摘する。「とりわけエコノミークラスの乗客は、特別機内食のほうが、通常の機内食よりも出来立てかつヘルシー、しかもおいしい、と考える傾向があります」
しかし、某米大手エアラインに30年以上にわたり勤務する、あるフライトアテンダントは匿名を条件に、特別機内食は通常の機内食よりも内容が良いわけではないし、ヘルシーであることは絶対ない、と言い切る。
「所詮は機内食。一番ひどいのは、グルテンフリーとキッズ用のミールね。グルテンフリーは、グルテンが含まれていないパスタの塊とパンだけだし、キッズ用ミールには、鶏のササミ2、3切れとクッキー1枚にほんのちょっぴりの野菜。それだけよ」
© 2018 The New York Times News Service[原文:Flying With Dietary Restrictions? Increasingly, That’s Not a Problem](翻訳:Ikuko.T)
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