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最近のアメリカ人が子どもを欲しくない理由

The New York Times

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アメリカ人が持つ子どもの数は減っている

はじめ研究者たちは、不景気が出生率の低下の理由だと考えていた。しかし、景気がよくなってもそれは下がる一方だった。いまでは2年続けて史上最低になっている。

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Image via Shutterstock

なぜ子どもを持たないんですか?

出生率は、移民、教育、住宅、労働供給、社会的安全網、働く家族への支援など多くの問題に微妙に影響を与える。したがって、なぜいまの若い世代が昔ほど多くの子どもを持たないかについてはいろいろな懸念がある。なぜ子どもを持たないのか、彼らに質問してみた。

もっとレジャーや自分の時間がほしい。いまはパートナーがいない。養育費を払えない。ニューヨーク・タイムズとモーニング・コンサルトが行なったアンケート調査では、これらが子どもが欲しくないとか子どもが欲しいかどうか迷っている人たちの理由のトップに挙げられた。

すでに子どもがいるか、子どもを持つ予定のある回答者の約4分の1が、子どもの数は欲しかったよりも少ない、または少ないだろうと答えている。大部分が、出産を遅らせた、またはもう子どもを増やさないと決めたのは時間とお金の余裕がないからと言っている。

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ミシガン州ポーテージの自宅にて、26歳のジェシカ・ボーア。自分の世代の多くの人たち同様、彼女は子どもを持つ予定はないという。2018年7月3日撮影。(Brittany Greeson/The New York Times)

男女平等になればなるほど、子どもが生まれない

この調査は、出生率減少についての理由をもっとも総合的に調査したもののひとつである。その結果は男女平等がもっと必要であることを物語っている。女性は、自分の人生についてもっと力を持っていて、多くが母親になることは単なる選択肢以上のものになったと感じている。

同時に明らかになったのは、経済的な不安だ。若い世代は記録的な学費ローンを抱えており、不景気のときに卒業して、家は買えない状況にある。子どもを育てるのにはますますお金がかかるようになっている。とくに女性には、キャリアの途中で出産するとしたら収入面でのペナルティがある。

「誰だって、子どもにたっぷり投資して、次第に不平等になりつつある環境で競えるように、最善の機会を与えたいと思っています」と語るのは、メリーランド大学の社会学者、フィリップ・コーエン氏。彼は家族について研究しており、妊娠についても書いている。

同時に彼はこうも言っている。「男女平等と出生率の間には強い関係があるということは無視できません。男女平等の国で出生率が高い国はありません」

アメリカの出生率はどんどん下がっている

アメリカの大部分の女性は子どもを産んでいる。しかし、出生率を計るのにもっとも使われている方法である、出産年齢の女性1,000人あたりの出生数は2017年には60.2だった。これは最低の記録である。現在のパターンに基づいて、女性が何人子ども産むかを予測する出生率全体では1.8まで下がっており、先進国の人口補充水準の2.1よりも低いのである。

アメリカの出生率は、どうやら世界の他の先進国に追いついてしまったようだ。10代の出産、予定外の妊娠、ヒスパニック系移民の高い出生率などで以前の出生率はもっと高かった。しかし、それらの動向は、子宮内避妊器具のような長期的な避妊方法が多く使われるようになったなどから、最近では逆進している。

良い親になる自信がない……

この調査では、20歳から45歳のアメリカの代表的標本の男性と女性1,858人の回答者の半数以上が、両親よりも少ない数の子どもを持つ予定だと答えた。そのうちの半数にはすでに子どもがいる。子どもがいない回答者のうち、子どもが欲しい人は42パーセント、欲しくない人は24パーセント、決めかねている人は34パーセントだった。

もっとも重要な要素のひとつは、個人的なものだった。子どもはまったく欲しくないし、もっと自分の時間がほしいというこのパターンは社会学の調査でもよく見られる。子どもを持つ予定がないという回答者の4分の1は、その理由のひとつとして良い親になる自信がないということを挙げている。

育児よりもやりたいことがたくさんある!

ミシガン州ポーテージに住むジェシカ・ボーアさんは26歳。家族や婚約者と一緒に過ごしたり、旅行したり、看護師としての仕事もがんばりたいし、修士号も取りたいし、猫ともたわむれたいと、育児よりもやりたいことがたくさんあるという。

「わたしの両親は、高校を卒業してすぐに結婚して私が生まれたので、ずっとみじめでした」とジェシカさんは言う。「でも、いまのわたしたちには選択肢があります

親業に望むレベルが高いため、自分にそれが務まるかどうかわからないと彼女は言う。「子どもを機能的で生産的な市民に育てるという責任が生じるわけですから。いまのわたしには自分の責任だってとれないときもあるのに」

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愛猫のキップにキスする26歳のジェシカ・ボーア。(Brittany Greeson/The New York Times)

経済面での不安もあるし……

彼らは、前の世代に比べて、親よりも収入が減ると言われている世代だ。子どもを持つ予定がないという回答者のうち、23パーセントが経済面での不安が理由だと言っている。3分の1は、養育費が出せないと答え、24パーセントは家を持つのは無理だと答えており、13パーセントは学費ローンを理由に挙げている。

経済的な懸念のせいで、人びとは自分の理想よりも少ない数の子どもを持つようになっている。64パーセントは養育費が高すぎると言い、43パーセントは経済面が安定しないために出産を先に延ばしすぎたと答えている。約40パーセントは、有給の家族休暇(出産や育児のための休暇)がないことを理由に挙げている。

結婚・出産は後回しに

かつては、子どもを持つことが成人期の始まりだった。いまでは大勢が子どもを作ることを後回しにしている。2017年に出生率が上がった唯一のグループは、40歳から44歳の女性だった。結婚と出産を遅らせることが、自分の理想よりも少ない数の子どもを産むようになる大きな理由だとされている。女性の妊娠率は32歳から大幅に下がる。

ミネアポリスに住む29歳のデイヴィッド・カールソンさんは、景気がまだ回復していなかった2010年に大学を卒業した。大学の学費ローンが妻と合わせて10万ドル(約1,125万円)もある。彼は企業ファイナンス、妻はカンセリングとフルタイムで働いている。ふたりは(出産のために)キャリアを中断できるとは思えないのだ。

「生活費が上がっているのに給料は比例して上がっていないし、おまけに学費ローンもある。家計の基盤を築くのはすごく難しい。大学を出て企業に勤めて、ふたりとも収入があってもね」とデイヴィッドさんは言う。彼はミレニアル世代向けのパーソナルファイナンスのブログを書いている。

彼は子どもが欲しくなったら養子も考えるというが、先延ばししすぎたとも言っている。別のオプションは卵子凍結。回答者のわずか1パーセントが卵子を凍結保存したと答えている。女性回答者の半数近くが、費用が高くなければそうしただろうとも言っている。

育児とキャリアの両立ができる政策は?

研究者たちは、アメリカが、育児がしやすくキャリアも積めるような政策を取り入れることは可能だと言う。

政府が、保育費用を負担することにはとても大きな効果がある。親の方でもチャイルドケアをシェアできるような政策だ。ドイツと日本はそんな政策を取り入れて、下降の一途だった出生率を上げることに成功している。

女性が職場に進出することと高い出生率は相反しなくてもいいのだが、それらを支える政策がないとしたら両立は無理だと言うのは、オリヴィエ・テヴェノン氏。経済協力開発機構で育児と家族政策を研究する経済学者だ。

「若い世代があとで追いつくのかどうかは不明です。でも、それは彼らが仕事と家庭とのバランスを取れるかどうかにかかっています」と彼は言う。

© 2018 New York Times News Service[Americans Are Having Fewer Babies. They Told Us Why. /執筆:Claire Cain Miller](翻訳:ぬえよしこ)

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