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史上最も暑い夏。世界4大陸からの証言レポート

The New York Times

2018年の春から夏にかけて、世界各地で最高気温の記録が塗り替えられました。

アメリカ本土では、5月の平均記録が5月としては観測史上最も高くなり、6月も史上3番目に暑い6月となりました。

日本列島は、連日38度超えの猛暑に見舞われ、これまでに86人が熱中症で死亡。気象庁はこの猛暑を「災害であると認識」すると発表

さらに、サハラ砂漠の観測所でも、北極圏の観測所でも、過去最高の気温が記録されました。世界各地から連日寄せられる猛暑ニュース、一体、今、地球で何が起こっているのでしょうか?

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Stephanie Davidson for The New York Times

原因はやっぱり、気候変動?

異常気象の要因分析を行う「ワールド・ウェザー・アトリビューション(WWA)」プロジェクトの気象学者らは、7月27日公表の研究報告で、現在、北ヨーロッパを覆っている熱波について、「人間の活動によって引き起こされた気候変動により、発生確率が2倍以上に上昇している」と結論付けました。

それ以外の今年発生した猛暑現象に関する要因分析はまだ公表されていませんが、気象学者らは、温室効果ガスが徐々に増加している影響で、熱波の頻度と強度が増しているのは、ほぼ間違いないと述べています。

今後もさらに気温が上昇するって

世界気象機関(WMO)のエレナ・マナエンコバ事務局次長は、2018年は、「観測史上一番暑かった年になる可能性がある」と、そして、これまでに記録された異常な高温は、気候変動を考えれば驚くようなことではない、と述べました。「気候変動は、将来のシナリオではありません。まさに今、起こっている現象なのです」

気象学者によれば、世界的にこれからさらに気温が上昇する可能性があるそうです。

記録破りの猛暑、世界各地の体験エピソード

では、世界中で記録を塗り替えた今年の猛暑、実際、どのくらい暑いのでしょうか?

アフリカ、アジア、欧州、北米4大陸の5地点で、いままで誰も経験したことのないような異常な暑さを体験した人たちから、衝撃エピソードを教えてもらいました。

サハラ砂漠は51℃!……アルジェリア(ワルグラ)

7月6日(木)の午後3時。サハラ砂漠周辺部にあるアルジェリアの石油の町、ワルグラで気温が「51℃」まで上昇しました。夏の厳しい暑さで知られるアルジェリアでも、これまでに誰も経験したことのない暑さとなりました。

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Stephanie Davidson for The New York Times

地獄のようなシフト

その日、アブデルマレク・ イベク・アグ・ザーリさんは、ワルグラ郊外の石油プラントで働いていました。作業員たちは、暑い1日になるという予報を聞いていました。しかし、彼は、通常の日勤12時間のシフトのために、午前7時に出勤しなければなりませんでした。

「あれ以上は、続けられなかった。仕事するなんて無理。地獄だったよ」と彼は、猛暑の日を振り返りました。

午前11時に仕事の継続を断念し、同僚と一緒に職場から引き上げました。

しかも、停電に

しかし、作業員宿舎に戻っても状況はさほど好転しませんでした。停電してしまったのです。エアコンも扇風機も使えなかったため、ブルーの木綿スカーフを水に浸し、絞って、頭に巻きつけました。水を飲んで、水浴びを5回もしました。「しまいには、頭が痛くなりました。もう、限界でした」

「こんなに暑い1日は生まれて初めてだ」と、ワルグラのお年寄りたちは言っていたそうです。

5月に16日連続で33℃超え……香港

南シナ海の端に位置する摩天楼の都市・香港では、5月後半に気温が33 ℃を超える日が「16 日間」も続きました。5月にそれほど長期間にわたる、それほど熾烈な熱波が停滞したのは、1884年に観測を開始して以来、初めてのことでした。

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Stephanie Davidson for The New York Times

季節外れの熱波にグッタリ

プールには市民が殺到。オフィスのエアコンはウーウー唸りながらフル稼働。それでも、商品を運送する人や建設現場の警備員、ゴミ収集業者など、都市機能に不可欠な仕事に従事する労働者は、朝方から夜まで屋外で毎日働きました。

うだるように暑いある朝、リンさん(55)は、日差しで熱を帯びた鉄製ハンドルを握り、肩越しに往き交う車を気にしながら、混雑した道路を手押し車を押して歩いていました。午前中は、近所のレストランに新鮮な葉物野菜を届け、夕方は、ゴミ回収。暑さから、頭痛に悩まされ、嘔吐した日もありました。

自分はロボットだって思うしかない

「すごく暑いわね、汗だくよ。でも仕方ないでしょ、食べていかなくちゃならないから」と言って、彼女はファーストネームだけ名乗ると、急いで次の客先に向かって足早に立ち去りました。

ゴミ回収業者のプーン・シウシンさん(58)は、ゴミの袋をゴミ集積所に放り投げていました。汗で背中にシャツがべっとり張り付いていました。「何も感じないよ。だって俺は、日照りと雨には慣れっこのロボットだもの」

まだ4 月なのに50℃……パキスタン(ナワブシャ)

パキスタンの綿花栽培地帯の中心地、ナワブシャでは「4月30日に50℃」まで気温が上がり、同国における4月の最高気温の記録を更新しました。

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Stephanie Davidson for The New York Times

町から人もタクシーも消えた

地元のジャーナリストのズルフィカール・カスケリさんによれば、その日、通りから人影がなくなったそうです。商店が店を開けることはありませんでした。タクシー運転手は、焼け付くような日差しを避けて、通りから姿を消してしまいました。

熱波は、ラマダンの断食中を襲った

そのため、リアズ・スームロさんは、病気の父親(68)を病院に連れて行くため、近くを歩き回ってタクシーを探さなければなりませんでした。ラマダンだったので家族は皆、断食していました。父親は脱水症状を起こして、倒れてしまいました。

国営病院は満杯でした。廊下には、父親のように熱中症の患者で溢れかえっていました。その大半は、屋外の作業中に体調を崩した日雇い作業員でした。

ナワブシャではその週、1日の最高気温が45℃以下になることはありませんでした

北欧でも16日連続で30℃超え……ノルウェー(オスロ)

「警告:森林の近くや島部での火気の使用、およびバーベキューを全面禁止します」

これは、オスロ市民が、6月のある金曜の午後に市の当局から受信したテキスト・メッセージです。

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Stephanie Davidson for The New York Times

森林は引火しやすい状態に

オスロでは、過去100年で最も暖かい5月を記録した後、6月も引き続き気温の高い月となりました。ノルウェー気象庁によると、7月中旬までにオスロ南部の村で、日中の最高気温が30℃まで上がった日が19日を数えたたそうです。

この春は降雨量がわずかで、その結果、草は茶色く乾燥し、酪農家は家畜の餌を確保するのに苦労しています。森林は乾燥して引火しやすい状態になっています。そこで、オスロ市は、ノルウェー人に最も人気のある夏の娯楽の一つである、使い捨てバーベキュー・コンロを持って森に出かけるのを禁止しました。

今まではコンロを使っても置きっぱなしだった

「市民はこういった暑さには慣れていませんので、バーベキューを楽しんだ後のコンロを放置しても問題ないと思っています」と言うのは、オスロ市消防局の広報担当マリアン・コングスさん。「でも今は、火花が枯れ草に引火して、火災になる可能性が高くなっています」

公園でも、近郊のフィヨルドの島々でもバーベキューは禁止されています。オスロ市消防局はフェイスブックで、禁止情報を告知しています。

半年で、2年間の合計より多い火災が発生

パー・エヴェンソンさんは、オスロ市南東の岩山、Linnekleppenの監視タワーに駐在する火災監視員です。彼は、7月初旬のある日、11件の森林火災を確認しました。遠方のあちこちに白い煙が立ち昇る様子が見えたそうです。7月19日までに、市民保護局が確認した、森林火災は合計で1,551 件に上りました。これは、2016年と2017年を全て合計した火災件数をすでに上回っています。同局では、22機のヘリコプターを同時に運行し、消火活動にあたっています。

北米も暑いよ。7月6日に42℃……ロサンゼルス

マリーナ・ザーコウさんはアーティストで、気候変動をテーマにした作品を長年制作しています。それでもなお、彼女は、最近の異常気象が、自分のプロジェクトの一つに大きな影響を及ぼしたことに驚かされました。

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Stephanie Davidson for The New York Times

食と温暖化の関係を考えるプロジェクト

プロジェクトは、気候変動が自分の食生活や食べ物に及ぼす影響を考えることをテーマにしています。そのタイトルは、「Making the Best of It (訳:その状況での最善を尽くす)」。

「悪い状況であってもベストな結果を出そう、という意味を込めています。また、できるだけおいしい料理を作りましょう、という意志も表しています」

新時代のカリフォルニアは乾燥高温

そのプロジェクトの最近の発表の場は、「ニューエラの乾燥し、気温が上昇したカリフォルニア」をテーマにしたディナーの開催でした。ここでいう乾燥、高温の気候は、地中海より、モハーベ砂漠に近いイメージだそうです。

当初、彼女とタッグを組んだシェフたちは、ダウンタウン・ロサンゼルスのキッチン・スタジオの中庭で、アウトドア・ディナーの開催を予定していました。

ちょうどその日、異常な猛暑がやってきた

7月6日、モハーベ砂漠からの西風が吹き、よどんでムッとした、熱気がロサンジェルス上空に停滞しました。ダウンタウンの気温は「42℃」まで上昇。屋外での食事には暑すぎました。

「気候変動の脅威について考えましょうと提唱しています。とは言え、招待したゲストをひどい目に遭わせるわけにはいきませんでした。少なくともエアコンがあってよかったわ」

© 2018 The New York Times News Service[原文:How Record Heat Wreaked Havoc on Four Continents/執筆:Somini Sengupta, Tiffany May and Zia ur-Rehman](翻訳:Ikuko.T)

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