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鍛えるよりも、うたた寝を。NYでリカバリージムが人気

The New York Times

さまざまなエクササイズ・クラスの中で一番気持ちがいいのは、最後数分間のクールダウンとリカバリー。最近では、気持ちがいいだけではなく、リカバリー(回復)ということに対する考え方が、ゆっくりながら大きく変化している。

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ポジティブ効果が多い「リカバリー」

フィットネスのプロたちはリカバリーについて、身体を動かした後の“デザート”ではなく、短期的・長期的にプラスになるトレーニングに不可欠な一部だと考えるようになっている。リカバリーには痛みを和らげたり、副交感神経系を活性化させたり、ストレスをためにくくさせたりする効果があるからだ。

ニューヨークでは今、お金をかける価値がある新しいプログラムやハイテクマシーンを使ったリカバリー講座が登場している。

水風呂で、老廃物よ、さようなら

ニューヨークのフィットネススタジオ「トーンハウス(Tone House)」で私が初めて受けた「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」のクラスは、受講中ずっと胃の中がひっくり返りそうと思うくらい、私にはきつかった。

ところが、ここで注目だったのは、トレーニング後のリカバリーのためのワークショップ。冷水をはったバスタブに浸かって(トレーナーからのアドバイスによると、最初は5分間から始めるといいとのこと)、トレーニング後の筋肉の腫れを抑え、筋肉痛の元となる乳酸を体から洗い流す、というものだった。

ストレッチ・リカバリーだけを受けてみる

だったら、いっそのことフィットネス講座はスキップしてしまって、リカバリー講座だけ受講するのはどう?と思いついた。フラットアイアン地区に5月にオープンしたスタジオ、「ストレッチド(Stretch*d )」では、トレーナーによる補助がついた1対1のストレッチ講座を行っている。

ある月曜日の午後、エクササイズをするというよりもテレビを観るときに着るようなゆったりしたウエアに着替えて、ストレッチ講座を受講した。アシストしてくれたのは、ストレッチ専門トレーナーのジェフ・ブラナガンさん。普段はカチコチに固まっている私の筋肉を、優しく動かしてほぐしていく。マッサージとアシステッドヨガを組み合わせた感じ。

マッサージベッドの上で55分間、ただ横になっているだけで自分ではほとんど何もしていないのに、終わると体が柔軟になり、姿勢も良くなった気がした。

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リカバリー専用スタジオ「Recover」

さらにマディソン・スクエア・ガーデンに近いアップタウンには、「ニューヨーク初のリカバリー専用スタジオ」をうたう、その名も「リカバー(Recover)」がオープンした。オーナーのアーロン・ドロゴスゼウスキーさんとリック・リッチーさんは、全米スポーツ医学協会(NASM)の正式ライセンスを持つパーソナルトレーナー。

2人は一流アスリートみたいなトレーニングとリカバリーを行えるスペースを作った。ここには聞きなれない名前の付いた最新システムが色々用意されている。

とろけそうな仮眠システム「NuCalm」

ドロゴスゼウスキーさんとの最初のセッションは、「うたた寝」のようなウォーミングアップから始まった。これは生化学と物理学、神経生理学を駆使した「ヌーコーム(NuCalm)」という仮眠システムを使ったもの。特許をとったラウンジチェアに座り、気分を鎮めるクリームを首の周りに塗って、微電流が流れる装置を付け、光を遮断するアイマスクをして、心地よい音楽が流れるヘッドフォンを着ける。このシステムが、瞬く間に深いリラックス状態に導いてくれる。

そうして、うっすらとまどろむ半覚醒状態の20分間が、2時間分の睡眠に相当するリカバリー効果をもたらしてくれる。ドロゴスゼウスキーさんいわく、エクササイズの最初にこうしたリカバリー法から始めることで、仕事に追われた1日から、彼がその日、私のために用意してくれた身体的にハードなパーソナル・トレーニングに切り替えやすくなる、とのことだった。

ヌーコームですっかりとろけてしまった私は、もう一度、このハイテク版の仮眠に戻りたかったが、なんとか気分を奮い立たせてグローブをはめ、ボクシング・セッションへ向かった。45分間のジャブとクロスを終えると、最近見たボクシング映画「クリード」を思い出し、新たにボクシングにはまりそうな予感さえしてしまう。

ボクシング・エクササイズの後は「気圧変動カプセル」

ボクシング・エクササイズの後の締めは、30分間の「シーヴァック(CVAC)」。正式には「シリック・バリエーションズ・イン・アダプティブ・コンディショニング」という。見た目はちょっと怖いカプセルの中に座ると、まるで高度が変わるようにカプセル内の気圧が変化する。体内の酸素の取り込みと代謝、老廃物の排出が促進され、運動をした後の体が素早く回復するという。

座っている感じは30分間、飛行機の離陸と着陸を何度も繰り返しているみたい。耳鳴りがものすごく怖いという人でなければ不快感はないが、ヌーコーム・システムでの仮眠ような「自分で自分を治している」感覚は、少し薄いかもしれない。

筋肉負荷トレーニングと「空気圧マッサージ」

2週間後、今度はリッチーさんとの筋肉増強セッションに参加した。最初は、ケトルベルの代わりに、ハンドルが付いた水の詰まったボールを使ったエクササイズから。これを持ちながら体を回したり、スクワットをしたりして、体全体のウォーミングアップ。

続いて、ランジ(片足を前に踏み出し、上体を沈めて体重をかける下半身トレーニング)。それから、紐を使ったチェストプレス(胸筋トレーニング)、もう1度ランジ、バランスエクササイズ、もう1度ランジと繰り返す。さらに腕立て伏せのような、レジスタンス・エクササイズ(筋に負荷をかけるトレーニング)を1セット。

リッチー氏との筋肉増強セッションのリカバリーは、コンプレッションスリーブによる空気圧マッサージ。寝袋とブーツが合体したようなスリーブに足を入れる。筋肉の痛みや炎症を最小限に抑えるという。30分間の優しい足マッサージといった感じ。マラソンに出場するための厳しいトレーニングを終えたアスリートみたいに、自分が思えてくる。

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遠赤外線サウナでゆっくりたっぷり汗をかく

さらに仕上げは、Sunlighten製のフルスペクトル遠赤外線サウナ「mパルス(mPulse)」。

暖炉や電気ヒーターを使って空気を暖める古いタイプのシダーサウナは好きだけど、数分で汗だらけになってしまう。そこで冷たい湖に飛び込んだりできれば最高だけど、日々の都会生活の中でいつでも可能なオプションじゃない。遠赤外線サウナは内側から温まる熱を使うので、汗のかき方は、湿度の高い部屋にいる時よりも、エクササイズをしている時に近い。

おまけにサウナ内の空気は熱くないので、より長くサウナの中にいることができ、よりたくさん汗をかける。ただし、水はたくさん飲むようにしよう。

体の内側から浄化

「リカバー」でのセッションの後は、生き生きとエネルギーに満ち、まるで蒸し野菜だけを数日食べた後みたいに内側からクリーンになった気分がした。それから、翌日にどこかが痛いということが、まったくなかった。

次回はトレーニングは必ずしも入れなくても、アクティブ・リカバリーの1日コースを予約してまた訪れたい。エクササイズの後でなくても、キツい毎日からのリカバリーが十分、必要なんじゃない?

©2018 The New York Times News Service[原文:How to Recover Like an Elite Athlete/執筆:Marisa Meltzer](翻訳:Tomoko.A)

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