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結構リアルでちょっぴりルーズ、「行動経済学」ってなんだろう?

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お得な情報をチェックして、できる限り損しないよう慎重にお買い物。これまでの経済学で想定されていたのは、そんな“理性的で合理的”な賢い消費者のイメージでした。

でも、消費者だって人間だもの

感情をもつ不安定な人間は、ときに恐怖や不安にかられて、ときに欲望や怠け心に負けて、損得の判断を誤ることがあります。

行動経済学は、私たちの暮らしに身近なもの

そのような生身の消費者の“不合理性”には一定の法則がある。そう説明するのは、行動経済学の研究者でありTEDスピーカーのダン・アリエリー氏。

わたしたちはふつうの経済理論が想定するより、はるかに合理性を欠いている。そのうえ、わたしたちの不合理な行動はでたらめでも無分別でもない。規則性があって、何度も繰り返してしまうため、予想もできる。だとすれば、ふつうの経済学を修正し、未検証の心理学という状態(中略)から抜け出すのが賢明ではないだろうか
ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』より引用

これが、行動経済学です。

ついデフォルトの答えを選んでしまう

では、具体的にどんな例があるのでしょう。アリエリー氏がTEDの中で説明していた具体的を紹介します。

まず、臓器提供の意思確認をする書類のチェックボックス。ドナーが多かった国では、「ドナーに参加したくない方はチェックしてください」と記載されていました。一方、少なかった国で書類に書かれていたのは「ドナーに参加してくださる方はチェックしてください」という旨の文章でした。

つまり、多くの人が、ペンで印を入れる手間を面倒に思い、デフォルトを選択していたのです。

これが実際示すものは 多くの決断を自分ではしていないこと
それは あの記入用紙をデザインした人の手の中にあるのです
TED「ダン・アリエリー:我々は本当に自分で決めているのか?」より引用

自分で決断しているつもりでいて、じつは他人が用意した答えを選択してしまっている良例です。選択や決断にはエネルギーを消耗するもの。今の自分にとって重要度の低いことは「おまかせで」と言ってしまうこと、ありますよね?

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目先の損得に振り回されてしまう

もうひとりの行動経済学者で同じくTEDスピーカーのシェロモ・ベナルチ教授も面白い例を紹介しています。ベナルチ教授いわく、人間はどんな小さな損も激しく嫌う習性があります。目先の小さな損に気を取られるあまり、長期的な損得勘定が冷静にできなくなることも多々あるそうです。

サルの群れがリンゴを1個もらいました とても幸せです
別の群れは2つもらった後1つ奪われます
すると彼らはまだ1個持っているのに非常に怒りました(中略)
貯蓄の場合にもこれが絡んできます
人々は心理的にも情緒的本能的にも貯蓄を損失と感じるのです
TED「シェロモ・ベナルチ: 明日のために、明日は貯めよう」より引用

子どもの頃に「お年玉は将来のために貯金しておくわね」と親に言われた時の、あのガッカリ感をイメージしてみてください。

理性的な消費者なら「将来のために貯金しているのだから自分にとってプラスだ」とキッパリ言い切りそうですが、行動経済学の想定する非合理的な消費者は「貯金によって、今の楽しみが奪われた! 損だ!」と子どものように叫ぶのです(そして貯金がなかなか貯まらない)。

このように、行動経済学では、消費者を感情的で怠け者で強欲、目先の快楽に簡単に負ける生き物と考えています。これまで経済学といえば、遠くの高尚なものというイメージでしたが、こう考えると、なんだか身近なものにも思えてきますね。

ダン・アリエリー『予想どおりに不合理』(早川書房), TED1, TED2]Image via Shutterstock

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吉野潤子

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