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映画批評の世界にもダイバーシティを

The New York Times

映画批評サイトのロッテン・トマトがこのほど、サイトに貢献するレビュアーの承認基準を刷新。女性やマイノリティを増やすとともに、ポッドキャストやユーチューブなどのプラットフォームで活動するレビュアーを取り込む方針を打ち出しました。

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米カリフォルニア州ビバリーヒルズにあるロッテントマト本部でミーティングをするスタッフ。2017年8月31日撮影(David Walter Banks/The New York Times)

ロッテン・トマトとは?

ロッテン・トマトは、様々なメディアに掲載されている映画やテレビドラマの批評を集積し、一覧できるウェブサイトです。プロの評論家のレビューをもとに作品を採点し、トマトメーターと呼ばれる独自の評価軸上で「fresh(好評)」か「rotten(悪評)」かの評価を下します。

しかし、映画製作者のなかには、サイトが下す評価の正当性に対し厳しい見方をする者もいます。世界各地を拠点とする約4400人ものレビュアーのなかには、名の通ったメディアで活動する評論家からブロガーまで、様々なキャリアや立場の者がいるからです。

より多くの声を反映して、質の高い批評を

こうした批判をよそに、ロッテン・トマトは8月28日にレビュアーの承認基準を刷新し、新たに200人を登録しました。

ロッテン・トマトの運営会社、ファンダンゴ社のボール・ヤノーバー社長は次のように述べています。「多くの声が反映されるほど、サイトは良くなるはずです。さらに質の高い批評を目指します」。

今回の決定の背景には、批評の分野もインクルーシブであるべきという運営会社の意向があります。現在、映画批評に関わる人材は白人男性に著しく偏っており、女性やマイノリティを排除していると批判を浴びている映画製作会社とそう変わらない状況です。

映画批評の世界は圧倒的に白人男性が多い

南カリフォルニア大学のチームが2018年6月に発表した研究によると、2017年の興行成績100位までの映画について、ロッテン・トマトが掲載したレビューの82パーセントが白人によるもので、78パーセントが男性によるものだということです。

また、今年7月にサンディエゴ州立大学のチームが発表した別の研究によると、女性主導の映画については、女性に比べ男性の評論家の方が厳しい判断を下すことが分かっています。

有名映画祭も対策を講じている

「40歳の白人男に『A Wrinkle in Time』のダメ出しをされたくないわ。彼向けに作られた映画じゃないもの」。

女優のブリー・ラーソン(『ルーム』でアカデミー主演女優賞受賞)はそんなコメントをはさみながら、サンダンス映画祭とトロント国際映画祭では今後発行される取材許可証のうち20パーセントがマイノリティのジャーナリストたちに与えられると発表しました。

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米カリフォルニア州ビバリーヒルズにあるロッテントマト本部。2017年8月31日撮影(David Walter Banks/The New York Times)

レビュアーとして登録するハードルが緩やかに

レビュアー陣をもっとインクルーシブにするため、ロッテン・トマトは選考基準にあるメディア規模に関する項目を変更しました。

テレビ番組のレビュアーとして登録されるためには、これまでは全国放送のテレビ局またはラジオ局で最低2年の就業経験が必要でした。新しい基準では地方局での経験しかない者にも門戸が開かれ、年数のハードルもなくなりました

批評記事が掲載されている媒体の発行部数やPVに関する要件も撤廃されました。

オンラインメディアのレビュアーが承認されるには、これまでは月間ユニーク・ビジターが50万を超える媒体で2年以上、300ワード以上の記事を最低100本執筆していることが求められていました。新しい基準は、「2年以上、定期的に記事を発表していること」というシンプルなものです。

20年前と同じ基準のままでは続かない

また、批評活動の場がポッドキャストに限られている人もロッテン・トマトのレビュアーとして登録できるようになりました。月に最低4本をアップしていることが条件ですが、マイノリティをターゲットとしたポッドキャストに関してはケースバイケースで承認される可能性があるそうです。

さらに、フリーランスの評論家をもっと取り込んでいくとのこと。これは地方紙が次々に廃刊されるなかでの決定です。

「20年前のメディア環境に則した基準がそのまま残っていましたが、当然ながら世界は変わりました」

ロッテン・トマトの20年前

ロッテン・トマトはカリフォルニア大学バークレー校を卒業した若者たちによって、1998年に開設されました。当初は、カンフー映画のレビューを一覧できるサイトを作ることが目的でした。

サイト名は中世ヨーロッパの慣習に由来します。村人たちが囚人に腐った食べ物を投げつけていたのが、いつしか劇場での慣行に変化。観客が、大根役者に不満をぶつける手段からきています

いまや、エンタメ界に多大な影響力を与える存在に

2年前、ロッテン・トマトはNBCユニバーサル傘下のチケット販売会社、ファンダンゴに買収されました。以来、サイトの評価は、ファンダンゴのチケット販売画面にも表示されるようになり、ますます多くの人に見られるようになっています。

映画制作会社からは、ロッテン・トマトの評価によって映画の興行成績が左右されてしまうとの苦情も出ていますが、ファンダンゴのヤノーバー社長は、それは言い過ぎだとしています。

ロッテン・トマトの挑戦は続く

とはいえ、サイトの影響力の拡大に伴い社会的責任も大きくなってしまうもの。ヤノーバー社長は多様性を担保するため、評論家の承認などに携わるフルタイムの担当者と、ニュース記事と特集ページを取りまとめる編集者を新たに雇い入れたと発表しました。

さらに、新進の評論家が映画祭に参加できるよう、彼らをサポートする補助金プログラムを始めるそうです。

新規のレビュアーが増えたからといって、これまでのメンバーが除外されることはありませんが、サイトが認定する「トップ評論家」のリストはいずれ更新されるだろうとヤノーバー社長は言っています。

© 2018 The New York Times News Service[原文:Rotten Tomatoes Adds 200 Critics as It Tries to Be More Inclusive/執筆:Brooks Barnes](抄訳:Tom N.)

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