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女子と男子、どっちがペナルティ受けてるの? データの答えは……

The New York Times

2018年9月8日、全米オープンテニスの女子シングルス決勝戦。セリーナ・ウィリアムズ選手が口にした言葉に対してカルロス・ラモス主審から警告を受けたとき、彼女は選手の性別によってダブルスタンダードが存在すると訴えた

「もっとひどいことをしている男子選手はたくさんいるのに、わたしが女だからといって罰するの?」とウィリアム選手。「そんなのまちがっている」

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Photo by Jaime Lawson/Getty Images for USTA

セリーナは、差別だって言うけれど……

状況はそれぞれ異なるので、そのときどきで判断されるべきだ。しかし、グランドスラム大会役員がまとめた過去20年間のデータによると、暴言についてペナルティを受けているのは男子選手のほうが多いことが判明した。

ニューヨーク・タイムズ紙が入手したデータは、1998年から2018年の20年間におよぶ年4回のグランドスラム大会でのものである。女子選手よりも男子選手のほうが違反行為によって罰金を科された回数は多い。ただひとつ大きな例外がある。それはコーチング違反だった。

グランドスラム大会における男子選手と女子選手の罰金の内訳(男女別)
1998年から2018年までのグランドスラム大会からのデータ。
(※ 全14項目より上位6項目を抜粋)

ラケットの乱用……………………(男)646 (女)99
聞きとれた卑猥な言葉……………(男)344 (女)140
スポーツマンらしくない行為……(男)287 (女)67
コーチング…………………………(男)87 (女)152
ボールの乱用………………………(男)49 (女)35
暴言…………………………………(男)62 (女)16

罰金とは、試合の際主審が与えた規則違反について、グランドスラム大会のトーナメント審判員とスーパーバイザーとが調査して決めるものである。データは20年間のグランドスラム大会における予選および本戦、シングルスおよびダブルスすべての何万という試合から集められた。

男子選手は、ラケットの不適切な扱いにより646回、スポーツマンらしくない行為で287回の罰金を受けている。同じ期間で女子選手のほうは、ラケットの扱いで99回、スポーツマンらしくない行為で67回となっている。

ペナルティを受けているのは男子選手の方が多い

このような数字の差は、聞き取れたわいせつな言葉に対する罰金回数についても同じような状況である。男子選手は344回、女子選手は140回。ウィリアムズ選手の状況にもっとも関係がある暴言については、男性62回、女性16回

ウィリアムズ選手は、大坂なおみ選手との決勝戦の第2セットで、主審のラモス氏を「泥棒」「うそつき」と呼んだことでペナルティを受け、6-2、6-4で負けた。

グランドスラムの規則では、大会役員に対する「不正、軽蔑、無礼などをほのめかす」発言を暴言と定義している。

ウィリアムズ選手はわいせつな言葉は使わなかったものの、ラモス主審をうそつきと呼んだため、規則違反を受け、それによって後日1万ドル(約110万円)の罰金を科されることになった。

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全米オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手(左)とセリーナ・ウィリアムズ選手(右)。(Photo by Julian Finney/Getty Images)

ただし、選手の数も関係してる?

男子選手と女子選手の罰金回数の差は、グランドスラム大会で男子のセット数が多いことで、あるていど説明はできるだろう。グランドスラム4大会の男子シングルスは最多で5セット、ウィンブルドン選手権での男子ダブルスも5セットであるが、女子はどのグランドスラム大会のシングルスでもダブルスでも3セットまでである。

2018年の全米オープンを例にとってみよう。シングルス本戦で男子選手は460のセット(終了していないものも含む)を戦った。女子シングルスでは終了していないものも含めて283セット、つまり男子の61.5パーセントにあたる。

また、グランドスラム大会の参加選手数も男子のほうが多い。全豪オープンと全仏オープンとウィンブルドンの男子シングルスには128スポットあるが、女子は96スポットである。

しかし、これらの要素を考慮しても、男子選手のほうがさまざまな規則違反でずっと多くの罰金を科せられているようである。

ハンドシグナルを見ていたかはわからない

しかし、これはコーチング違反にはあてはまらない。20年間で、男子の87回に比べて、女子は152回の罰金なのである。

決勝戦で、ウィリアムズ選手が受けた3つのうち最初の警告はコーチング違反だった。彼女のコーチであるパトリック・ムラトグルー氏は、ハンドシグナルをしていたことを認めているが、ウィリアムズ選手がそれを見たかどうかはわからないと語った。

グランドスラム大会では、シングルスおよびダブルスの本戦で試合中のコーチングは禁じられている。

女子選手はコーチングに慣れているという背景もある

コーチング違反で女子選手のほうが多くペナルティを受けている理由は明らかではない。他のツアー大会では、例外はあるものの、コーチは1セットに1回コートに来てコーチすることが許されているので、女子選手は試合中にコーチングされるのに慣れている。2009年シーズン以来、WTA(女子テニス協会)の試合ではこのようなコーチングは許されているが、観客席からのコーチングはずっと禁じられている。

WTAのツアーでコーチングが認められるようになって以来、女子選手への罰金回数はめだって増えている。(女子選手のコーチのほとんどが男性であることも指摘しておきたい。)

1998年から2008年までのグランドスラム大会で、女子選手には65回のコーチング反則による罰金があった。2009年からの9年では、87回。どちらの期間においても、女子の罰金回数は男子よりもずっと多かった。男子選手の罰金回数は、1998年から2008年までは37回、2009年から2018年は50回だった。

©.2018 New York Times News Service[Are Women Penalized More Than Men in Tennis? Data Says No/執筆:Christopher Clarey](翻訳:ぬえよしこ)

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