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ユージェニー王女が教えてくれたよ、「美しさの定義は変わる」って!

The New York Times

2018年10月12日、ユージェニー王女とジャック・ブルックスバンクの挙式が行なわれた。イギリス王室にとって今年2回目となるロイヤルウェディングのために、招待客、セレブ、熱烈なロイヤルファンらがふたたびウィンザー城に集った。

即決だった。あのウェディングドレス

サセックス公爵夫人メーガン妃と同じように、28歳のユージェニー王女のウェディングドレスについては、当日聖ジョージ礼拝堂に到着するまでいっさい明らかにされなかったため、直前までどんなドレスになるのかと噂が絶えなかった。しかし、アンドルー王子とセーラ・ファーガソンの次女で、王位継承順位9位であるユージェニー王女は、この晴れの日の数か月前にブランドの選択についてすこしだけヒントを与えていた。

「誰が手がけているかは言えませんが、イギリスを拠点にしているデザイナーです」と、王女は今夏イギリス版『ヴォーグ』に語っていた。ドレスについては「すごくこだわっていた唯一のものです。結婚を発表してすぐに、どのデザイナーにどんなスタイルを頼むか即決していました」

手術痕は「感謝のあかし」

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Image via Getty Images

招待客が帽子を押さえていなければならなかったほど突風の吹くこの秋の朝、ようやくドレスの謎が解けた。王女は、ロンドンを拠点にするブランド「ピロット」のクリエイティブディレクターであるピーター・ピロットとクリストファー・ドゥ・ヴォスを選んでいたのだった。現代のプリンセスにふさわしい、シルクとジャカードの目を見張るようなドレスが作られた。

ドレスはシンプルでエレガント。純白で、長袖が体の線を美しく見せ、ポートレイトのネックラインは肩のところで折り返されていて、背骨の矯正のために王女が受けた手術の痕を見せている。挙式の週にテレビのインタビューで、王女は、2002年の脊柱側彎症の手術を担当してくれた病院と医師たちへの感謝を込めて、手術痕を見せるドレスにしたいとほのめかしていた。

ITV局の番組「This Morning」でインタビューを受けたユージェニー王女は、「わたしは手術痕を見せることを支持しています。12歳のとき、背中の手術を受けましたから。挙式でみなさん見ることになるでしょう。そうすることでわたしの治療に携わってくれた方々を称えられますし、同じような経験をしている若い人たちを励ますこともできます。美しさの定義をかえることは可能なんです。自分の傷を見せてもかまわない、それを擁護できるのはすばらしいと思っています」

ヴェールなしも伝統破り

花嫁は伝統を破り、ヴェールをつけなかった。しかし、祖母であるエリザベス女王から借りた、グレヴィル・エメラルド・ココシュニックの輝くティアラが選ばれた。1921年、フランスのジュエリーメーカー「ブシュロン」が手がけたもので、ブリリアントカットとローズカットのダイヤモンドがプラチナムにはめこまれ、中央のエメラルドの左右にはそれぞれ6つのエメラルドが並べられている。1942年にデイム・マーガレット・グレヴィルがエリザベス女王へ贈ったものである。そして、ピロットとディ・ヴォスの特注のジャカードには花嫁にとって大切なモチーフが織られ、ロイヤルらしさが込められている。スコットランドを意味するアザミは、スコットランドにある女王の地所で新郎新婦が愛するバルモラルへのトリビュートであり、アイルランドのシャムロック(クローバー)は、ユージェニー王女の母方ファーガソン家への敬意を表している。

花嫁の足元は、シャーロット・オリンピアの靴。新郎から結婚式の贈り物であるダイヤモンドとエメラルドのドロップイヤリングが耳元を飾った。新郎と新婦はスイスにあるヴェルビエでのスキー休暇で出会い、8年間交際した。

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Image via Getty Images

イギリス出身ではないデザイナーを選択

ピロットとドゥ・ヴォスは、ベルギーのアントワープにある王立芸術アカデミーで学んでいるときに出会った。色鮮やかでグラフィックな美的感覚で知られている。9月のロンドンコレクションでも最新作が披露されていた。

しかし、キャサリン妃やメーガン妃のウエディングドレスをてがけたアレキサンダー・マックイーンのサラ・バートンや、ジバンシィのクレア・ワイト・ケラーとは違い、ピロットもドゥ・ヴォスもイギリス出身ではない。王女が意識していたどうかはわからないが、この選択は、欧州連合からの脱退が控えているイギリスにとって、「イギリスらしさ」とはいったい何を意味するのか、波紋や議論につながる可能性のある顕著な例だと言える。

ピロットはオーストリア・イタリア系で、ドゥ・ヴォスはベルギー・ペルー系である。2007年に創業して以来「ピロット」はロンドンを拠点にしてはいるものの、(彼とドゥ・ヴォスも含め)チームの70パーセントはイギリス以外の国の出身だとピロットは語っている。イギリスが欧州連合から脱退する際の条件によっては、「ふたたび移住しなければならない人も出てくるだろう」

ピロットとドゥ・ヴォスの尽力は、映画俳優のジョージ・クルーニーが創設したカーサミーゴス・テキーラ社の欧州マネージャーを務める、32歳のブルックスバンクには高く評価されたようだ。

祭壇の前で花嫁を迎えたとき、新郎は言った。「きみはパーフェクトだ」

© 2018 New York Times News Service[Why Princess Eugenie’s Peter Pilotto Wedding Dress Was a Thoroughly Modern Choice/執筆:Elizabeth Paton](翻訳:ぬえよしこ)


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