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トイレで世界を救う!Mr.トイレットが語るタブーを打ち破るヒント

MASHING UP/マッシングアップ

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2018年11月29日・30日に開催された「MASHING UP」。カンファレンスのオープニングを飾るキーノートスピーチには、「世界トイレ機関(World Toilet Organization)」ファウンダーであり「Mr.トイレット」の異名で知られるジャック・シムさんが登壇しました。

シムさんが現在フォーカスしているのは、世間でタブーとされてきたトイレの問題。なぜ「トイレ」なのか? その理由と、トイレの普及に取り組む情熱を語ってくれました。

また、たった1人の組織である世界トイレ機関が、世界中の政治家やセレブリティを巻き込むことに成功した秘訣にも言及します。

いつか死ぬからこそ、何かを成しとげたい

40歳のときに「成功したビジネスマン」という人生を手放し、新しいキャリアをスタートしたシムさん(詳細はこちら)。「80歳までしか生きられないということに気づき、死ぬまでに何かをやりとげたいと思ったのです」と、トイレの普及活動を始めた理由を話しました。

世界では約10億人のトイレが不足しており、多くの人が日が昇る前に、公道で排便を行っているそう。そしてその結果、ハエを媒介とした病気や感染症などが発生——つまり、トイレを増やすことは公衆衛生の課題解決であり、人びとの健康を守ることにつながるのです。

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世界トイレ機関(World Toilet Organization)ファウンダーのジャック・シムさん。

ユーモアが“タブー”を打ち破り、世界へ広げる

組織の名前に「トイレ」という言葉を使い、さらに、「Mr.トイレット」と名乗る理由をよく聞かれるというシムさん。その目的は、「みんなに笑ってもらうこと」だそう。

トイレや排泄といった話題は、世間ではタブーとされています。そこで、あえてこの言葉をユーモラスに使用することで、心の壁を取り払おうというのです。

ちなみに、世界トイレ機関の頭文字は「WTO」ですが、「世界貿易機構(World Trade Organization)」と同じとしているのもユーモアの一環。

その結果、「世界トイレサミット」など、トイレ普及活動は次々と成功をおさめます。2008年には『TIME』誌に取り上げられ、2013年には国連総会が11月19日(世界トイレ機関の創設日)を「世界トイレの日」として制定しました。

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この日のプレゼンテーションにもユーモアにあふれるスライドを用意。

そして、シムさんの活動は、各国の要人やビジネスリーダーたちからも支持されるように。ビル・ゲイツが2億5000万ドルを投資し、クリントン元大統領は資金集めの活動に協力しました。トイレという今までは誰も目を向けなかったことが、世界的なムーブメントへと発展していったのです。

2016年には、JAY ZとCOLDPLAYにインドで演奏してもらったり、トイレを面白く扱ったボリウッドムービーをつくったり、エンターテインメントの方向からもアプローチを進めています。

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これからの世界に必要なのは「Feminine Philosophy」

また、シムさんは、これからの世界には「Feminine Philosophy – フェミニン・フィロソフィー(女性的な哲学)」が必要であり、世界は「女性的なアプローチをとるべき」であると参加者へ訴えました。

今の仕組みは、「征服者になることが成功」という男性的なアプローチが主流です。それはつまり、敗者の数を最大化することでもあります。しかし、自然界は、勝者・敗者こそいますが、互いにバランスをとることでエコシステムが成り立つのです。

従来の「他人から手柄を奪う」よりも「お互いを助け合う」といった女性的なアプローチが、これからは求められていくのではないかと、問題を提起しました。そしてこの女性的アプローチは、男性でもとれるものでもある、といいます。

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会場は満席。皆、にこやかにシムさんのスピーチに聞き入る。

最期の日は「社会に貢献した人間」として迎えたい

結びにシムさんは、「私たちには、いつか必ず死ぬ日がやってきます」と、会場の一人ひとりに話しかけるように口を開きました。

そして「その最期の日に、自分自身にどう語りかけたいか考えてほしい」といいます。「フェラーリを何台所有している」や「いくつもバーキンを持っている」などではなく、「社会に利益をもたらした人間である」と感じてその日を迎えたいでしょう、と。

「時間はエネルギーであり、エネルギーは楽しみと意義を伴うべきものです。自分のみならず、ほかの方々のエネルギーを使えれば、もっと増大していきます」

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そう活動への協力を呼びかけると、会場は熱い拍手に包まれました。

いつかこの世を離れるその日までに、私たちにも社会のために、誰かのために、できることがあるはず——。シムさんのスピーチはまさに、今回のMASHING UPのテーマ「Bravery & Enpathy(勇気と共感)」を呼び起こして終了しました。

ジャック・シム(Jack Sim)さん
40歳で社会起業家に転身した元起業家。World Toilet Organizationをはじめとする7つの社会的事業を手がける。2013年には11月19日を「世界トイレデー」に制定するよう提唱、国連総会で満場一致で認められた。現在は世界的に功績を知られる社会起業家として活躍。受賞歴、講演実績多数。

*ジャック・シムさんの登壇は、カルティエの協力により実現しました。

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MASHING UP

「トイレ」からはじまるすばらしい世界
2018年11月29日@TRUNK(HOTEL)

撮影/酒 航太、間部百合

せきぐちゆう

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