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「1か月Facebook断ち」の実験から分かったこと

The New York Times

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2018年4月9日、カリフォルニア州メンロパークのFacebook本社。Facebook断ちをしますか。2019年初めに発表された新たな調査によると、Facebookをやめると友人や家族といっしょに過ごす時間が増え、政治的情報は減り、強烈な政党支持も下がることが判明。日常の気分と満足度は少し上がり、平均的な利用者には自由時間が1日に1時間増えた。(Jason Henry/The New York Times)

世界でもっともおなじみのデジタル習慣となったFacebookをやめるのはそう簡単なことではありません。Facebook利用者の4割は長期間使わなかったことがあるそうですが、平均的な利用者が1年間使わないでいるとしたらその代償は1000ドルから2000ドルと考えていることが、新しい調査でわかりました。

1か月のFacebook断ち実験、開始

では、実際にやめたらどうなるのでしょうか。これまで行われた中でもっとも包括的なこの調査では、その結果を垣間見ることができます。まず、友人や家族と過ごす時間が増え、政治的知識は減り、熱狂的な政党支持も減りました。毎日の気分や満足度が少し上がりました。そして、1日に1時間の自由時間が増えたのです。

退屈したら、ついチェックしちゃうんだよね

この新しい調査はスタンフォード大学とニューヨーク大学の研究者によって行われ、結果は「Social Science Research Network」のサイトに発表されました。

ウィスコンシン州の大学生、23歳のアーロン・ケリーさんはこう言います。「ぼく自身はFacebookを衝動的に見てますね。すごく役立ってはいるけれど、いつも時間のムダだと感じていました。勉強に集中できないし、退屈したらついチェックしてしまうんです」

ケリーさんはこの調査に参加した理由を「Facebookをやらないための都合のいい言い訳だったし、どうなるか興味がありましたから」と話します。

アルフレッド・P・スローン財団が主な資金提供元となり行われたこの無作為試験は、Facebookの批判者と支持者のどちらも満足できないと思われる日常の利用状況の一面を描き出すことになりました。

Facebookのプレス担当者いわく「これは、Facebookをやめるべきかというテーマについて行われた調査のひとつであり、その結果は決定的なものではありません」。Facebookが出した声明には、「Facebookはおおいに利用者の利益になっている」という調査結果の一文が引用されていました。

Facebookで参加者を募った

調査チームを率いたのは、ニューヨーク大学の経済学準教授のハント・アルコット氏とスタンフォード大学の経済学者マシュー・ジェンツコウ氏でした。Facebookの広告を利用して、Facebookを1日に少なくとも15分利用している18歳以上の参加者を募りました。参加者の平均利用時間は1日1時間、ヘビーユーザーは2〜3時間、なかにはそれ以上利用している人もいました。

約3000人のユーザーは同意のもとに細かいアンケートに回答。アンケートでは、日常生活のルーティンや政治的な意見、ふだんの気分などが問われました。

いくらもらえたら1か月Facebookをやめる?

参加者の半分は無作為に、代金を受け取るかわりにFacebookのアカウントに1か月アクセスしないように指示されました。研究者にとってはその金額も関心の的でした。1か月のアクセスの対価はいくらなのでしょうか。平均は約100ドルで、これはこれまでの分析と同じでした。

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Image via Shutterstock

参加者のなかには、Facebook断ちをして初めてその利用価値がわかったという人もいました。「もちろん、人とのつながりも恋しかったですが、Facebookライブでのイベントのストリーミング、とくに政治関連のものを同じ関心を持つ人たちといっしょに視聴できるストリーミングが見たくなったね」と述べているのは、調査に参加した、医療関係の自宅サービスに携わっているテキサス在住の56歳のコニー・グレイブスさん。

調査期間の1か月が終わると、アクセスしなかったグループとアクセスを続けたグループは再度細かいアンケートに回答。自分の心境、政治意識や支持政党、そしてこの実験が始まって以降の毎日の活動の流れの変化などを答えました。

自由時間が1時間増えた!

アクセスしなかったグループは平均で1日1時間自由時間が増えた、と答えました。ヘビーユーザーはその2倍以上も自由時間ができたのです。また、友人や家族といっしょに過ごす時間やテレビ視聴など、オフラインで過ごす時間の増加が報告されました。

ジェンツコウ氏は、「Facebookをやめたら、ツイッターやスナップチャットやネットサーフィンなど、他のデジタル活動がそれに取って代わると思っていたんですが、そうはなりませんでした。それが少なくともわたしにとっては驚きでしたね」と述べています。

Facebookは重要な政治情報源だった

政治知識に関する質問では、アクセスしなかったグループは以前と比べてスコアが少し低くなりました。「政治知識に関する結果では、Facebookは人々が注目している重要な情報源のひとつであることがわかります」と述べているのは、ノーザンイースタン大学の政治学とコンピューター&情報サイエンスの教授、デヴィッド・レイザー氏です。

極端な政治的視点についてのスコアはさまざまでしたが、そのうちのひとつ「問題についての二極化」については、アクセスしなかったグループのスコアは5パーセントから10パーセント低下していました。アクセスを続けたグループのスコアは変わりませんでした。情報量が少なくなったこととどう関係があるのかははっきりしませんが、情報が減ったことで極端な政党支持の姿勢がやわらいだのかもしれません。

気持ちにポジティブな変化

この研究結果でもっとも顕著だった点は、Facebookをやめると、わずかながら利用者の気分と人生の満足度にポジティブな影響があったということかもしれません。この結果は、ソーシャルメディアを習慣的に利用すると心理的苦悩につながるという、広く信じられている推定がそれほどではなかったことを示しています。

たとえば、SNSを積極的に利用しているときと比べて、受け身でずっと見ていると気分が低下すると予測できることがわかりました。これまでの研究では、頻繁に利用すると暗い気分になるのか、暗い気分だとヘビーユーザーになるのかは判明していませんでしたが、今回の調査では、それは後者のパターンであることが確認されました。

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Image via Shutterstock

もしFacebookを多く利用することで不機嫌になるのなら、軽度の利用者と比べてヘビーユーザーは今回の実験で気分の上昇幅がもっと大きかっただろうと予想できたはずです。しかし、結果はそうではありませんでした。つまり、ヘビーユーザーはFacebookにどっぷりはまる以前から不機嫌だったと考えられました。

Facebookアクセスの価値は?

ミシガン大学の心理学教授、イーサン・クロス氏は、Facebookをやめることの心理的影響について確固たる結論を出すのは時期尚早だと述べています。教授は、ソーシャルメディアのアクセスが制限されたとき、利用者の気分が上がることを突き止めた別の2つの最近の研究があることを指摘しています。

調査終了後、アクセスしなかったグループに仮にいくらもらえたらもう1か月Facebook断ちをするかを尋ねてみました。この時には金額は100ドル以下に下がったのでした。

©2019 New York Times News Service[原文:This Is Your Brain Off Facebook/執筆:Benedict Carey](翻訳:ぬえよしこ)

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